国語の成績が安定しないとは
中学受験を志す受験生の多くが、国語の成績が安定しないことに悩んでいます。良いときと悪いときの偏差値の変動幅が10以上になっている受験生は意外と多いのです。このような変動が大きいのは算数でもよくあることなのですが、算数の場合は①単元が異なる、②計算ミスをした、などの理由が明確なので、そこまで悩むことにはつながりません。
国語の偏差値が、良い時には60を超えるのに、悪い時には40代まで落ちる、というような受験生をたくさん見てきました。そして、このことについて、「文章との相性が悪かった」で片付けているご家庭はとても多い印象です。
しかし、文章との相性に原因を帰すると、受験当日も結局は素材文との相性頼み=神頼みの状態になってしまいます。やってみなければ分からない、出たとこ勝負、では当日まで不安な状態のまま受験することになります。
「文章の相性」は確かにあります。ただ、それだけに原因を求めていては、いつまでたっても何も変わりません。何か他のアプローチは無いのでしょうか。
私が考える、安定しない理由
国語の成績が安定しない理由は、「読解力に頼っているから」に他ならないと私は考えます。文章の内容がしっかりと理解できれば、ある程度までのレベルの問題であれば、どうにか正解を導くことができます。素材文を一読して、問題文を読んだ段階で、もう答えることは分かっている、選択肢を見れば正解が分かる、という状態です。
問題は、この解き方が最後まで通用しない、という点にあります。特に、偏差値60以上(日能研R4、偏差値の見方はコチラ)の難関校になると、素材文の内容理解とは別の部分、たとえば論理的思考力で答を出していかなければならない問題が多くなります。
意外かもしれませんが、選択問題を記述問題に置き換えると、不正解だった生徒の7割程度が正解できるようになります。
たとえば、選択問題で誤った選択肢を選んでいる生徒に、問題に対する答が何なのかを口頭で尋ねると、大体正しいことを言えてしまうのです。答は分かっている=文章の内容は理解できているにも関わらず、それが成績に結びつかない受験生のいかに多いことか。
なぜこのようなことが起きるのかというと、受験生の多くが、問題を解く練習を十分にしていないためです。得点力については、他のところで説明をしていますが、国語の成績が低い/安定しない受験生の多くが、決定的な得点力不足に陥っているのです。
問題を解く練習とは
上のようにお伝えしても、「いや、うちの子は文章題を毎日解いている」とか、「塾でたくさんの文章題を扱っている」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
文章題をただ解くことは、問題を解く練習には当たりません。なぜなら、文章題には様々な種類の問題が混在しているからです。
サッカーに置き換えてみましょう。
試合形式での練習は確かにありますが、それだけでサッカーの実力が伸びるでしょうか?サッカーがうまくなりたいと思ったら、ドリブルやパスや、シュートの練習をしませんか?ドリブル練習だけをするから、突破力が生まれ、シュート練習を繰り返すことで決定力が上がるのではないでしょうか。国語に置き換えれば、ドリブルは選択問題、パスは抜き出し問題、シュートは記述問題に当たります。
文章題を解いているのは、常に試合形式の練習だけをしているのと同じです。これでは、相性頼みの国語から抜け出せません。そうではなくて、選択問題だけを集中してやるから、選択問題の解き方が身につくのです。
もちろん、国語の実力には個人差があります。見よう見まねで最初からドリブルが上手な人と、多少練習した程度ではボールにすぐつまづいてしまう人(私のことです)がいるのと同じです。ただ、ドリブルの練習をしっかりとすれば、私でもドリブルができるようにはなると思います(多分)。逆に、試合に出ているだけでは、私のようなサッカー偏差値の低い人間は、ずーっとボールウォッチャーになっているだけで、いつまでたってもサッカーができるようにはならないでしょう。
このサイトをご覧になっているご家庭のお子様は、残念ながらサッカーでの私と同じく、練習をしないとできるようにはならないタイプのお子様だと思います。ただ、最初からできるかどうかということが、どれほど重大だというのでしょうか。しょせん、サッカーも国語も社会で必須の能力ではありません。そして、どちらも練習を積めば、ある程度まではできるようになります。それでいいじゃないですか。みんなが三笘選手のようになれなくても、サッカーは十分楽しめます。
正しい国語の伸ばし方
正しい国語の伸ばし方は、それぞれの課題となっている問題形式に対してしっかりと練習を積むことです。練習を積むことで、文章の内容がイマイチ分からなくても(全く分からないではムリ)、どうにか正解を導くことができます。
また、正しい解き方を身につけることは、難関校の入試問題=文章理解以外の思考力を求める問題に対応する上では必須になります。
読解力というマジックワードに皆さん、踊らされ過ぎなのではないでしょうか。
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