読解力と得点力の関係

国語の勉強法

得点力とはなにか

 得点力とは、分かっていることを最大限使って正解を導く力です。
 もちろん、素材文の内容がすべて理解できて、問題が求めていることをしっかり答えられるに越したことはありません。しかし、実際には難しい問題になればなるほど、あるいは、素材文が難解であればあるほど、そう上手くはいきません。そんなときに、一部分だけでも分かっていることから、どうにか正解につなげる力が得点力です。

 素材文の内容はよく理解できたのに、正解を選べない(書けない)といった受験生は結構います。模試のやり直しをする時に、分かっていたのに間違えた!という場合、得点力が低いということになります。ミスをしてしまった!というのも同じです。

 たとえば、誤っているものを選ぶ問題の場合に、その事が分かっていたのについ正しいものを選んでしまった、ということは、決して稀ではありません。塾の1クラス20人が同じ問題を解くと、数名~5名くらい、このようなミスをする生徒が出ます。そして、この比率は上位のクラスも下位のクラスも変わりません。

 あるいは、記述問題で、80字の記述を求められていても40字しか書けない、というようなこともあります。最低字数が定められている場合には、採点されずに☓になります。問われていることの本質は40字で書けるけど、制限字数に満たない時にどうすればよいのか。これも、得点力を上げることと関わります。

得点力を上げるには?

 得点力を上げるには、その時にどのようにするのかという問題を解く手順を決めておくことが重要です。
 たとえば、誤っているものを選ぶ問題の場合、

 ア、誤っている 
 イ、正しい
 ウ、正しい

 となっている時にミスが出るのは、問題を解いている途中で「誤っているものを選ぶ」→「正しいものを選ぶ」と頭の中が無意識に切り替わってしまうためです。普段、正しいものを選ぶ問題を解くことのほうが圧倒的に多いわけですから、こうなってしまうことはあまり責められません。

 そこで、私が提案するのは、

 ア、☓
 イ、○
 ウ、○

 と、選択肢の正否をまず決めて、次に問題が求めているものを答える、という二段構えのやり方です。普段と違うことを、頭の中だけで、同時にやろうとすると、ミスが出る可能性が高くなります。そうではなく、1つ1つのやることを単純化して、それを積み上げていけばよいのです。


 記述問題の場合には、制限字数÷20=採点基準の個数という大まかな目安があります。何も考えずに、ただ問われたことに答えようとする受験生と、問題文から採点基準の個数に目星をつけて書くことができる受験生では、それが大きな差になって返ってきます。
 
 「傍線部分の心情を、60字以上80字以内で答えなさい」

 という問題の場合に、

 「この問題は60字以上なので、採点基準の個数は3~4。そうなると、心情語(悲しい気持ち)で①、その気持の説明・理由(自分の意見が通らなくて)で②、あと1つは・・・その気持になった理由(とても自信のある意見だったのに)で③」

 というように考えることができれば、記述問題で完答できる可能性が高くなります。また、実際に書いてみると、それぞれの採点基準に20字程度は必要となるので、字数の最低限を満たした解答を作ることもできます。

 「自分としてはとても自信のある意見を発表したのに、その意見をクラスの誰も真剣に聞いてくれなかったことへの、残念で悲しい気持ち。(62字)」

 
 このような、それぞれの問題に対する解き方や考えの筋道の立て方を自分のものにすることが得点力を上げることにつながります。

得点力が読解力につながるわけ

 得点力を磨くことが、どうして読解力につながるのでしょうか。

 それは、明確な指針を以って素材文(問題文)を読み解いていくことが得点力の向上に必要とされるからです。

 先程の記述問題の例で言えば、答の中心(心情)は読解力が必要ですが、そこから先で解答に含めていった内容は、「あと○個採点基準が必要だ」という明確な目的を持って素材文から問われていることに関係しそうな内容を探す作業によってもたらされるものです。
 つまり、この時にやっていることこそが、文章の内容を読み解く=読解なのです。
 重要なことは、得点力を育てる場合、はっきりとした、1つの目標を持っているということです。

 読解力と言って、素材文を全て解説しようとする講師がいます。なぜ、これが上手くいかないのか?それは、そこに「たどり着くゴール」がはっきりと与えられていないからです。さして面白くもない素材文を、最初から最後まで丁寧に読み込むことができるお子さんなら、国語は得意科目になっているはずです(私にはそんなことはできませんが)。
 1つだけの目標、たとえば、「傍線部分の理由になっているところを探す」という、たどり着くべき場所が明確になっているからこそ、文章を真剣に読み解くことができるのです。

得点力はテクニックだと言う人へ

 その通り、テクニックです。技術です。
 でも、読解だって技術ですよね。
 読解力!と言って大上段に構える人ほど、文章を読む時にチマチマと線を引いたり、接続語に印をつけたりさせます。それは、立派な技術でしょう。

 私は、素材文に線を引くことは反対です。理由は3つ。

 ①国語が苦手な生徒をたくさん見てきて、その生徒たちが内容を理解して線を引いている例はほとんどないこと(線を引くことが目的になってしまっていること。あるいは、全く本筋と関係のない部分に線を引いたり、素材文を線だらけにしてしまっていること)。
 ②問題を解く時に、線が邪魔になること(特に記述)。
 ③非効率的な、無駄なことが嫌いなこと(自分の性格)。

 素材文に線を引くなら、読む時ではなく、解く時です。解く時に、自分の思考をたどりながらどんどん線を引いてください。それは、とても重要なことです。

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